”転職の思考法”を読んで考えたこと

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今年トップを争うくらいの良書だったのは”転職の思考法”という本です。普段から沢山本を読んでいますが、この本に関してはブログに取り上げてみようと思いました。

  ※めちゃ長い記事です笑

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

 

マーケットバリュー(市場価値)を知れ

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マーケットバリューとは要するに自分の値札です。自分の価値を会社に買ってもらって、自分のリソースを提供する契約を結びます。 日本の場合、価値と給与に乖離がある人がいて、そのために会社にしがみつく必要があります。(これによって会社に歪みが生じ、悪循環が生じます。いわゆる老害です。)

 

価値がない人は、会社にしがみつく以外に方法はないため、転職できません。この状態では会社が崩れれば、同じ運命を背負ってしまいます。こうならないように、自分の価値を高める必要があります。

 

マーケットバリューは、図にあるようにx=人的資産 y=技術資産 z=業界の生産性という3軸で表し、体積が大きいほどバリューが高いとされます。

 

・人的資産は「人脈」「コネ」。この人だからと動いてくれること。

・技術資産は職種に紐づく「専門性」と紐付かない「経験」。 

・業界の生産性は一人あたりの粗利。給与の原資。

 

この考えをするためには、上司ではなく、マーケットを見る必要があります。会社という狭いカテゴリだけで生きている上司ではなく、会社を含むマーケットを俯瞰的に見渡し、潜在的価値があるかどうかを見極める必要があります。

 

生産性のない衰退する市場でいくら技術やコネがあろうが、マーケットバリューは高まりません。この点に関しては仕事のライフサイクルに現れます。代替可能性と雇用の数の二軸で考え、市場がどこに位置づけられるかも意識すべきです。

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マーケットバリューを高めるには

大前提として業界の生産性が高いマーケットを選ぶ必要があります。故に、選ぶマーケットは既に生産性が高い所か、これから伸びる業界を選択すべきです。先行して伸びている業界に身をおくことは、追従する企業にとっては「技術」に加えて「経験」のある人材になりえるので、技術資産を高める方法にも繋がります。

 

各年代ごとに獲得すべきモノは異なります。この本では20代=「専門性」、30代=「経験」、40代=「人脈」とされています。20代は明確な専門性を身につけ、30代になったらその高度な「専門性」をもとに、「経験」を取りに行くことが必須でしょう。

 

本懐としては、専門性のコモディティ化にあると思います。資格職は高度な専門職であり、参入障壁が高そうに見えますが、定型化されつつある業務ではコモディティ化する恐れがあります。故に専門性を身につけた後は経験で差別化を図る必要があります。

 

医師のマーケットバリュー???

一応、医療系のブログなので医師に当てはめて考えてみましょう。

www.igaitai111.com

 

上記の記事にあるように、日本の医療需要はピークアウトし、 供給が増えるという市場です。社会保障で支えられた市場であり、マーケット全体がもたらす生産性が増えない一方、なり手が増えるサイクルということは意識すべきでしょう。

 

それでも医師のマーケットバリューが現在高いのは、既に生産性が高く、技術資産を持つプロフェッショナルキャリアであるからです。故に下り坂のエスカレーターであっても、高い所から徐々に下っていくイメージでしょう。

 

厚生労働省が驚愕のブラック労働容認を認めましたが、2024年までというのが一つの区切りです。国の方針として現時点では人員を増やしたり、医療コストを増やすことで需給を保つのではなく、あくまで現行の人たちで頑張ってくださいというメッセージです。そこからは下り坂ということを国が知っているのでしょう。

マーケットの裏側

前述の話は臨床医としての働き方ですが、見方を変えてみましょう。つまり対象とするマーケットを変える、または拡大して見てみます。

 

世界人口の医療需要という観点で考えてみると、全世界の医療費は2014年の9.21兆ドルから、2040年には24.24兆ドルに達すると推計されています。世界的には人口が増えつつあり、日本から少し遅れて高齢化を迎えるので、マーケットとしては上向きです。

 

保険事情等のその国の兼ね合いもあり、一概には言えませんが、臨床医として海外の医療需要が高まりつつある市場で働くということは一つの有効な戦略です。(ヨーロッパは供給が足りていて給与は恐ろしく低いですが…。)

 

こういった観点だと、製薬会社などのバイオ系も生産性が高く、成長性の高いマーケットです。市場を拡大すれば、医療全体は良い市場に思えます。

 

また、臨床医としての生産性を考えるのではなく、違う市場はどうでしょうか。産業医や医系技官等で考えてみると、これらは生産性の観点が違います。国が決めたインフラ職であり、生み出す生産性(いくら稼いだか)を図るのは難しいです。(そして給与の基準は臨床医によるため、これらは臨床医と同様のバリューがあります。)

 

自由診療に至っては生産性の幅が広く、社会保障に非依存性ですので考えが変わります。一方、これから新規に始めるには、先行者の「経験」やブランド価値(美容系は特に)が高いため、適した市場ではないと僕は思います。

 

同じ医師免許を活かした市場でも、マーケットが向かう方法性、支えている根拠を意識すれば、自ずと目指すべき方向性も見えてくるかもしれません。

「やりたいこと」なんて必要ない

話は医療に脱線しましたが、僕がこの本で一番印象的だったのが第4章です。

心から楽しめることなんて必要ない。必要なのは楽しめる状態。

 

人間には2パターンいて、

①to do型(コト)に重きをおく人間:何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている

② being型(状態)に重きをおく人間:どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する

99%の人間はbeing型である。

→「心からやりたいこと」がなくても悲観する必要はまったくない

 

昨今の「やりたいこと」をすればいいじゃん!という風潮から現実的に落とし込んだ考えであり、僕自身はto do型に憧れるけど、今はbeing型の状態だと認識。少なくとも、beingでありながら無理に「やりたいこと」「やりがい」を追い求め、自分に嘘をついてまでto doのように振る舞うのが一番不健康な生き方だと思いました。

 

そして、”楽しめる状態”とは。

①自分の状態:主人公は適切な強さか。主人公は信頼できるか。

・マーケットバリューを高める(主人公が強くなければ戦えない)

・仕事でつく嘘を最小化する(自分が強くなっても、自分が好きでなければゲームを楽しむことができない)

②環境の状態:緊張と緩和のバランスは心地よい状態か。

・悪い緊張が10以上ある→職場を変える

・良い緊張が3つ未満→より難しい業務ややったことのないことに挑戦する

 

若干抽象的なことですが、要するに働いている環境と自分の持っているバリュー、精神衛生が良いバランスにあることだと思います。過度のストレス環境ではない状態で、そこそこの難易度のチャレンジをこなすことで自分のマーケットバリューを高めている状態こそがbeing型の”楽しめる状態"であると解釈しました。

 

その中で好きなことを見つけるチャンスとしては、①自分の得意なこと②普段の仕事の中でストレスのないことから探すことが推奨されてます。結局は自分が「心からやりたいこと」ではなくても、良い状態で「小さなやりたいこと」を見つけることだと思います。

 

そして、「小さなやりたいこと」をやる中で得た、新たな「ラベル」を獲得し、今度はそのラベルがより強固になる軸で仕事を選べること。この場合はマーケットバリューの軸とは違い、ワクワクする軸という新たな軸を元に考えることができる。

まとめ

まとめてみたいと思って書いてみましたが、読んで得た発見の半分も書ききれませんでした。実際この本は物語形式であり、主人公の青野の行動を追うことで転職の思考法を得る設計なので、切り取ったまとめではイマイチピンとこないかもしれません。

 

自分なりに短く”転職の思考法”を纏めると下記のような感じです。

①マーケットバリューを高める

・x=人的資産 y=技術資産 z=業界の生産性の3軸で構成。

・どこを伸ばすかを考え、適切なポジショニングが重要。

②最初に身をおくべき所は、マーケットを見て考えること。

・特に重要なのは生産性(一人あたりの粗利)とマーケットの趨勢。

・生産性が既に高いorこれから拡大するマーケットが望ましい。

③獲得すべき順番は「専門性」→「経験」→「人脈」

・「専門性」はコモディティ化する可能性が高いため、深く追求するのではなく、「経験」を取りに行くべき。

・最終的には、この人だからという「人脈」で堀を固める。

④楽しめる状態を作ること

・「心からやりたいこと」を追い求めるのではなく、自分の得意なことやストレスに思わないことから「小さなやりたいこと」を見つける。

・ 「小さなやりたいこと」をやる中で得た、新たな「ラベル」を強固にし、今度は「ワクワクする軸」を加えて仕事を考える。

 

僕は臨床医という道を選びませんでしたが、その考えの多くは”転職の思考法”に通じます。次回は、僕の選択を少し踏み込んで記事にしてみようと思います。

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

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