今回は序破急シリーズの番外編である。
昨今のインフレ化している国家試験に対してアドバンスに対策するにはどうすればいいかを考えてみたいと思う。
必要最低限で良いと思う受験生には不要な話だが、より実践的に生きた勉強がしたい人が対象である。
救急が熱すぎる
医師国家試験データベースの総評にあるように、救急・加齢老年の出題数が激増中である。一方で大きく割合を占めていた産婦人科や小児科の出題数は減り、より研修中に出会うであろう症例が多く呈示されている。
この2科目に対する対策法を考えようと思う。まずは救急から。
救急は個人的にはもっと出題数が増えても良い科目だと思っている。何故ならば最も研修医に求められる内容で、非専門医であっても夜間当直などで一生使える知識になるからである。
対策法としてはビデオ講座に留めるか、さらに意識を高く持って研修医本を読むかである。 ビデオ講座に関してはmedu4、MEC、TECOMがそれぞれ対策講座を出している。僕はmedu4とMECに関しては視聴済みなので、それらの感想を述べる。
浅く広く対策しているのはmedu4、クリティカル疾患を断片的に取り上げているのがMECである。個人的にはMECの内容は後期講座でもカバー出来るので、最初にmedu4でフラットな知識を得ておくのが丁度良いと思う。特に中毒の部分や減圧症・偶発低体温症など、普段の勉強ではカバーできない領域を学習できるので一石二鳥である。
ここで余裕のある医学生に是非勧めたいのが研修医本である。その中で特にオススメするのは超有名どころの研修医当直御法度だ。
加齢老年学も侮れない
次に加齢老年学である。これは現状medu4しか対策講座はない。僕は小児・産婦人科におまけで付いていたので視聴済みである。結論から言うと、やや物足りなさはあるも現状では十分であると感じた。どうしても的を絞り辛い領域であるが、よくまとまった講座である。
一問一答はもう古い
僕がやって後悔した勉強No.1がデータマニュアルである。
一般総論は一問一答が生命線と思っていたので、死んだ勉強をしてしまった。
※本当の生命線は公衆衛生、小児である。
早く気づけば良かったのであったが、国試が終わって振り返って今分かった。選択肢が並んで初めて問題として成立するのであって、〇〇〇は〜〜〜である。(×)といった知識を繰り返すことに意味は無い。
そのような時間があればノートを見返して、知識の定着や直近過去問の選択肢一つ一つの確認といった作業に費やせば良かった。
昔のようなクイズ王選手権のような重箱の隅をついた過去問オンパレードだったら意味があったかもしれないが、近年の国家試験のスタイルである”最低限必要な知識+実践的で頭を使う問題”には合っていない。
やはりやるべき事は深化である。徹底的な過去問の研究。これ以上に意味のある勉強はない。疑わしい疾患を問う問題であれば、その根拠は?次にどの検査をすれば更に確率が高まるのか?治療はどうすればいいのか?効果判定はどうすればいいのか?予後は?といった所まで深化させなければならない。
僕はもっとここに時間を費やせば良かったと後悔した。国家試験の勉強かつ頭を使う勉強という一石二鳥のやり方を放棄して、頭を使わない楽な勉強に逃げてしまった。
5年次に気づいた事を突き進む勇気が僕には足りなかった。