国家試験対策の総論について3回に分けて書こうと思う。
各分野の細かい学習法に関しては別の記事で取り上げるのでしばしお待ちを。
この対策法は本番にインフルエンザにかかっても確実に合格するプランである。
序は大まかに5回生から6回生の夏までをイメージしてもらいたい。
メジャー科目は一気に終わらせる
予備校の煽りや周囲の状況から5回生の臨床実習の間に主要なビデオ講座を終わらせるのが最近の流れである。多くの問題の根幹となる考え方を身につける上で妥当な判断であり、自大学においても7割程度の人が6年次までに主要講座を見終えていた。
ここで一点注意すべきことがある。”見終えた≠頭に入った”ということだ。
時間を掛けてノートを作ったところで、所詮まとめを写したに過ぎないという事例が多い。つまり受動的学習であるので、大方は意味を成していない。
大切なのは早めに自分の覚える範囲を設定して、それを周回することである。
僕はこのことをCBT対策で悟り、ビデオ講座は時間を掛けずに速攻で終わらせるものと判断した。ここで僕が実際に行ったものは前ブログに取り上げている。
実際に4〜5時間×25日程度の学習で、それ以降の勉強がかなり楽になったので、これが今振り返ってみて一番良かったと確信している。
臨床実習中はノートの復習、極簡単な問題演習に費やし 、隙間時間を利用して最低ラインの知識を得ることが出来た。この時期は家に帰ってからほとんど勉強をしていないので、時間的余裕も多く、学生生活も十分に楽しむことができた。
5年生メック模試の成績
多くの人がビデオ講座から次への学習を始めるが6年次であるが、僕はこの段階で最低ラインの学習は終わっているので圧倒的に優位な立場で6年を始めることが出来た。
これは理想論であるので、現実的な話も載せておく。
頭の良い体育会系の友達は6年の秋口以降に本格的な学習を開始して、1月の追い込みで最低ラインまでは確保していた。これは国家試験が選択問題であることも踏まえ、うろ覚えだけど見たら分かるレベルというものであった。
※定期試験・CBTはパスしているので、一定の素地は有している。
※この友達は本番で8割以上の成績を残している。
これはあくまで一例ではあるが、国試最低常識ラインは思っている以上に低い。それならば早めに終わらしておいて俯瞰的に対策する方が精神的に楽ということだ。加えて、直前に詰め込んだものと長いスパンをかけて有している知識は短期記憶と長期記憶の違いがあり、根本的な質は違うと信じたい。
小児・産婦人科は想像以上に大変
メジャー科目を終わらして次に進むのがこの2科目である。
この2科目に関しては学習に多くの時間が必要となる。求められる知識量が多い上に、取っ付き難い面が大きい。僕は産婦人科が特に苦手で、分娩時のトラブルなどは本当に苦労した。模試などでも産婦人科の平均点はいつも低く、多くの人にとっては大きな壁となり、直前対策では追いつけない分野なので、早めに学習しておくことを勧める。
また、小児科は早めにマスターしておけば一般総論において公衆衛生に並んで無類の強さを発揮してくれる分野であるので、得点の安定化を図る上では是非とも習熟度を高めておきたい。量が多いだけで、先天性心疾患を除いて理解に苦しむところは少ない。
既存のコンテンツで悩む人へ。 小児・産婦人科は圧倒的にmedu4をオススメしたい。
多くの穂澄先生の講座を観たが、この分野に関しては突出して良かった。システマチックなまとめがこの分野と浸透性が高く、学習効果の高い問題を解くことで確実にステップアップできる構成となっている。
どんなに苦手な人でも必ず得意科目になると断言できる。(分量はヤバいが笑)
マイナー科目は後回しでも良い
マイナー科目に関しては対策がかなり難しい領域に入っている。
というのも極端に簡単な問題と難しい問題が解離しすぎているため、受験生の中で差がつきにくい分野となっている。具体例を見てみよう。111A2,A6である。
同じ皮膚科からの出題であるが、A2のようなマニアックな問題に関して自信を持って解答できる受験生は希有である。消去法を使って確率を上げた上で何とか解答は出来るレベルではあるが、事前学習においてこのレベルまで到達するには相当な学習量が必要である。
またA6のように、プール問題からの出題は浅めに学習している受験生にとっても瞬殺出来る問題であるので差がつくような問題ではない。
同様の傾向が今回はマイナー科全般に感じられた。これらの事に加え、出題数も減っていることからマイナー対策の重要性は低い。
他の受験生と差がつかない程度の浅い学習は1ヶ月程度で終えることができるので、上述のメジャー科目、小児・産婦人科の学習をまずは優先させ、1周目の学習に関してはさらっと流す程度で良い。
公衆衛生は少し囓っておくと美味しい
公衆衛生は多くの受験生にとっては秋以降に対策を始めるのが常となっているが、僕は1週間程度の期間を使って、6年の春に少し囓っておくことを勧める。
111回は公衆衛生分野は例年と比べると解きやすい問題が多く、おそらく次年度以降も突飛な問題は少なく、過去問演習をベースとした学習で十分な対策が取れる。しかし、なぜ僕がより早い短期学習を勧めるかというと、模試の復習に関わる。
メジャー科目などに関しては今までの定期テストやCBTで何回か触れたことがあるが、公衆衛生分野は国試に焦点が当たった学習は極端に少ないので馴染みが薄い。
このような状態で模試も受けることに意味が無いと感じたために、6年の4月に昨年度版のQBを中古で購入し、1週間かけて学習した。細かい所まで覚える必要はないが、どういった所が細かく問われ、大まかにこのような学習をしたら良いという指針が立ったので、それ以降の模試や復習を繰り返す事で効率的に学習することが出来た。
初期こそは苦手意識が強かったが、繰り返す事でポイントを理解し、本番でも十分に力が発揮できたので、初期の1週間の勉強がとても役に立ったと感じた。
まとめ
どの時点からスタートするかは個人の自由であるが、余裕のある人は早めにまとまった期間に一気に学習を進めておくことを勧める。
典型的な失敗例としては、臨床実習に合わせて学習を進めようと思っていたが、結局中途半端な学習で終わってしまう例である。
ビデオ講座を見るのみの学習に意味は無く、そこからどれだけ自分の物にするかが鍵であり、ビデオ講座見終わった=学習済みではない。
その上で最優先すべきはメジャー科目、小児・産婦人科の熟達であり、これらの分野においてはより早い対策が必要となり、そこに少々のスパイスを加えるなら浅めのマイナー対策と早めの公衆衛生である。
上記の指針で進め、6年次の夏までに俯瞰的な視点を持てば、余裕で合格できるだけの素地は完成している。
初期のパルス療法を行えば後は少量持続投与で完全寛解が約束される。6年次夏以降の学習は国家試験対策の破で取り上げる。