女性医師のキャリア形成と医療崩壊

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1年に何回かは医学生・研修医が匿名ダイアリーを賑わす。昨日はフランス×アルゼンチンという好ゲームの中でふとアプリを見ると気になる話題が飛び込んできた。

今回はこの記事について触れたいと思う。

anond.hatelabo.jp

 女性医師のキャリア形成と医療崩壊

内容は至って医者界隈ではよくある話で、女性医師の結婚・出産とキャリア形成のギャップに悩んだ記事である。筆者は研修医二年目で26歳と僕と全く同じキャリアを歩んできているので理解しやすい。ただ違う点は僕はオスであり、生殖機能に違いがある。

 

この記事にもあるように、真面目に内科医師としてのキャリアを築く場合、研修終了後3年間は内科専門取得のため、そして晴れてそこから2階建てのサブスペシャリティー取得のためにスタートする。実際、同時進行な面もあるが、肩書的には面倒な流れだ。

 

メディカルノート様の画像を参照すると、下記のような流れになる

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新専門医制度における新しい内科専門医制度とは | メディカルノート

 

それに引き換え、マイナー科と呼ばれるところは従来の制度と大きな違いはなく、だいたい5年間で専門医が取得できる1階建て構造となっている。面倒な他科ローテートもなく、労働環境が良い点も人気を集める所以である。

 

こういった背景は新専門医制度前から僕は認識しており、入学した際に男女比が6:4くらいの割合であったことから、一瞬でヤバイ未来を確信した。これは必然の流れだ。

 

真面目な医師としてのキャリア形成と女性としてのライフステージを考えた場合、多くの女性は両天秤にかけて優先しなければならない選択を強いられるだろう。誰よりも一歩先に進みたい場合には、女性としての幸せを犠牲にする場合もある。

 

戦略的に考えるなら、研修医のうちに結婚・出産パターンは考えられる。研修医期間の比較的キャリア形成に関わらない期間、医局等のしがらみもない時期に半年間くらい休んで出産し、1年ロスした状態で3年目を迎えるケースである。当然、育児の大変さも加わるが、何とか均衡の取れる方法の一つである。

 

もう一つはキャリアが落ち着いたときの出産だが、妊孕性の問題や指摘のように出産リスクも高くなる。これは言わずもがなであり、デリケートな問題だ。

 

何れにせよ、結婚・出産といったライフステージを仕事のファクターから戦略的に考える必要があり、僕個人としては生命という尊さからは本質的なことではないと感じている。もちろん他職種でも同様であり、医師に限った話ではない。

 

こういった様々な背景を考えた上で筆者はマイナー科として要領の良いDoctorになる道を選ばれるのだろう。その選択に対して僕が疑問に思う点はなく、こうやって真面目な人達の道も詰まれていくのだと思うと切なくなる。筆者さんが思い描いていた道とは違ったのではないかと思い、現時点での両立の道は険しい。

 

医療業界全体をみて、明らかに比重はおかしい。忙しい医師とQOL医師の給料の差は少なく、真面目に勤務医をするよりフリーでバイトする方が稼げる。医学定員が増えたが、女医の割合も増え、必然的な選択からQOL科が増えていく。そして残ったハードな科は近寄りがたくなり、ますます忙しくなる一方である。

 

ただ一つ僕が女医さんに思うことは、他職種と違ってライセンスを活かした復帰のしやすさ、稼ぎ方のイージーな事といったら最強な点だ。もし数億のお金があったらどうだろうか?もしも生活に困らないだけの余裕が生まれたら…。そういった中で本当にやりたい医療があれば叶えられるのではないか。

 

医療界の”橘玲”的な存在になりつつあるラスさん(ラス (@3n4rs) | Twitter)も指摘しているように、給与を時間に見合った分に設定すること。そうすれば「あいつは早く帰るけど、給料低いからエエやろ笑」って風潮になるのではないか。

 

本当にやりたいこと、叶えたいこととライフステージの両者を取る。女医さんないし、社会全体の女性にとって難しい課題だが、見方を変えれば抜け道もある。実際に医療界で実現できるか分からないが、一つの方法論としては考える価値はあるだろう。

 

最後に、こういった選択に対して男性医師に対して後ろ髪を引かれる事は全く無い。人生は一回だ。医療界・社会全体より自分の幸福を最優先する生き方に僕は疑問を抱かない。分かりきった医療業界の中で、必然の選択に対して文句を言う男性医師はクソダサい。僕は定時ダッシュするママさん先生を応援し続ける。そして僕も定時に帰る(笑)